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『わたしのおすすめ』 ① 本 〈第6回: 京都市社会教育委員 野村 佳子さん〉
このコーナーでは,本や音楽など様々なジャンルにわたって「学びの達人」のみなさまから「イチ押し」を教えていただくコーナーです!
今回のテーマは,読書の秋にちなんで「本」です。たまには普段読まないジャンルの本を手に取ってみるとまた違った世界が楽しめるかもしれませんね。
第六回は,京都市社会教育委員 野村佳子さんのおすすめ本です。
◍ 本のタイトル:『働かないアリに意義がある』
(メディアファクトリー新書015)
◍ 著 者 :長谷川英祐(はせがわ えいすけ)氏 ;生物学者
本書はアリやハチなどの社会性昆虫に関する新しい研究結果も交え,進化生物学を人間社会にたとえながら分りやすい言葉で説明しています。ビジネス書として読まれているケースもあり,読み手により,色々考えさせられる一冊です。
働き者のアリですが,7割は働かず1割は一生働かないそうです。実はこの割合が巣を守るための進化で,余力・無駄・あそびの意義について面白く解説しています。
そして年齢に伴うムシの労働内容,“若けりゃ巣の中の安全な子育て,年を取ったら余命が短いから危険なえさ探しで外へ行け。”は人間の常識から考えるとひどい話ですが,合理的な進化だそうです。
しかし人間はムシと違い,高度な学習能力を持つ人ならではの独自の進化をしたとされていて,ここに生涯学習の意義があると感じます。
また終章の「その進化は何のため?」の問いに哲学的な要素も感じられ,皆さんのそれぞれの得意分野で内容を深く読み解くことが出来ると思います。
金子みすずの
「わたしと小鳥と鈴と みんなちがって、みんないい」
をふと思い出しました。
御存知ですか?「京都市社会教育委員」とは・・・(133.7KB)