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京まなびネットニュース

社会教育委員 2012年8月1日 ニュースレター

<京(みやこ)まなびぃニュースレター>京都市社会教育委員のコラム-まなびぃのつぼ 第1回:茂山 千三郎委員

 6月創刊の「京(みやこ)まなびぃニュースレター」第1号は,読んでいただけましたか?中には,ニュースレターの「京(みやこ)まなびネット」の記事を御覧になってこのサイトを訪問してくださった方もいらっしゃるかもしれませんね…?

 これから京(みやこ)まなびネットニュースのコーナーでも順にニュースレターの掲載内容を紹介していきます。

 まずは,京都市社会教育委員のコラム「まなびぃのつぼ」。記念すべき第1回は,狂言師の茂山 千三郎委員です。

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 「学びの連鎖」  京都市社会教育委員 茂山 千三郎(狂言師)

 能楽の囃子(はやし)(音楽)に「ノリ」という表現を使う。乱暴な言い方をすると音楽のテンポのことだが,現代においても「あの曲はノリがええなぁ!」などと使われている。
 西洋音楽では「レガート…滑らかに」「カンタービレ…歌うように,表情豊かに」と発想記号が楽譜に書かれていて,歌い手はそれを読み取り,意識して歌う。では能楽はどうか?能の謡本(うたいぼん)にはその指示は書き込まれていないのだ。稽古の時に師匠が本気で謡って見せるのを,弟子は見習い盗み真似て習得するのだ。
 だが,演奏者と謡手の意識を共有するためには言葉で伝える必要が出てくる。「もう少し乗り良く」「しっかりと」「少ししめて…」「そこはサラリと…」。この辺りまでは何となく伝わるようだが,「カラッとして!」「こっくりと…」。まるで料理のようになってくる。「こっくり謡う」とは?初めて指示された時はどう謡うべきなのか理解出来なかった。答えは「落ち着いた深みのある謡(うたい)」。つまり料理と同じである。謡も料理と同じに考えれば良いのだ。
 こう理解した時は「目からウロコが落ちた」。ふむ?よく使うが,目からウロコって?なんとなく仏教用語から来ているのだろうと想像していたが,調べてみると,新約聖書・使徒言行録9章18節「たちまち目からウロコのようなものが落ち,サウロは元どおり見えるようになった。」もやもやしていたものが突然パッ!と見える。なんと聖書から来ていたのだ。
 子どもが「どうして?」「なんで?」「なに?」と聞き続ける好奇心の連鎖。年を重ねても忘れたくない好奇心,これこそ学ぶことの面白さであろう。
 そう…「初心忘るべからず」


~委員からのメッセージ~
 浅きに深きことあり。心して見聞けば 面白きことのみなり。「わらんべ草」より


 ※「わらんべ草」…江戸時代初期の狂言師 大蔵虎明が,狂言に関する
  作法や演技の心得,能楽一般の故事などを書き記したもの。

【茂山 千三郎委員プロフィール】
 昭和55年から「花形狂言会」に加わり,平成12年から古典狂言の勉強会「TOPPA!」を主宰。その他,ラジオのパーソナリティやテレビのキャスター,ミュージカルやオペラの演出・出演など幅広く活動。全国の小中学校を訪問し,ワークショップを通じて狂言の魅力を伝える活動も展開中。第28~30期京都市社会教育委員。

 茂山 千三郎委員も出演する市民狂言会(8月17日)のイベント情報はこちら
http://miyakomanabi.jp/search/index.php?act=detail&id=2722&r=1343881331.2817

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 京(みやこ)まなびぃニュースレターは,京都市役所・区役所及び支所,市立図書館や生涯学習関係施設等で配架していますので,お手に取って御覧ください。

ニュースレター第1号はこちらからもお読みいただけます。(1.9MB)